2014年7月9日水曜日

サムスンのVRヘッドセットは『Gear VR』、ソフトはOculus製。次期Galaxyスマートフォンを装着

サムスンが開発するバーチャルリアリティ・ヘッドセットのプロトタイプと称する画像が現れました。製品名は『Gear VR』(仮)。ソフトウェアはVRヘッドセット Oculus Rift の Oculus VR社が担当し、サムスンの次期Galaxy スマートフォン (Galaxy Note 4)を装着してディスプレイとして使います。

サムスンがVRヘッドセットを開発しており、ソフトウェア部分は Oculus が担当することについては、今年5月に開発者筋からリークがありました。

初期の開発者キットに触れたという情報提供者から Engadget が得た証言によれば、両社の提携はこれから市場拡大が見込まれるVRヘッドセット分野にライバルより先に参入したいサムスンと、自社のOculus Riftを製品化するため高品質な有機ELディスプレイが必要な Oculus との利害が一致したことから。

サムスンといえば、Googleがウェアラブル向けのAndroid拡張 Android Wear を発表する前から独自規格の多機能スマートウォッチ Galaxy Gear を投入するなど、拡大しそうな分野については満を持さずにとりあえずぶっ放して後から改良する前傾姿勢で知られています。

また Galaxy Sシリーズが前世代モデルとの差別化に苦心し破竹の勢いにも翳りが見えるなかで、Galaxy S や大画面高精細の Galaxy Note シリーズに対するプレミアムな付加価値として目新しい周辺機器を投入したい動機もあります。

(こちらは Oculus の第2世代開発キット初期型(1.5世代モデルの Crystal Cove)。)

一方で Oculus VR側としては、20歳の若者 Palmer Luckey氏が創業してから2年足らずで Facebook に約2000億円で買収され当座の資金や事業拡大のハードルは低くなったものの、肝心のVRヘッドセット Oculus Rift のハードウェアのために、サムスンの持つ高精細有機ELパネルがどうしても欲しいことが提携の動機と考えられます。

Oculus Rift は眼前に括りつけたディスプレイの映像をレンズで目に届ける仕組みであることから、パネルの解像度はVR体験の説得力に直結します。現行の開発キットDK2では1920 x 1080のフルHDパネルを使い初代の1280 x 800よりはマシになりましたが、原理的に片目につき半分に分割した解像度になること、また売りの広い視野(水平90度)のために引き伸ばされた状態になることから、中型程度のテレビやスマートフォンならば粗いと思われないフルHDでも、Oculusでは独特の粒状感があり、没入感はすごいけれど現実とは間違えようがないゲーム的感覚の理由になっています。

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