2014年8月14日木曜日

「顔認証」が切り拓く未来とは?精度・速度で世界一のNECに聞く


「顔認証入場」の概要について説明する「ももいろクローバー」講演チケット説明ページ

「顔認証」技術への注目度が日に日に高まっている。

法務省入国管理局は、2020年東京オリンピックに向けて出入国審査の迅速化を図るべく、顔認証を使った自動化ゲートの実証実験を開始。エンターテインメントの世界では、後を絶たない公演チケットの転売を防止するため、人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が公演入場に顔認証を導入したことも話題を呼んだ。

顔認証は、指紋認証や虹彩認証などと並び、身体的特徴をもとに個人を識別するバイオメトリクス認証技術の一つ。他の認証技術と比べ、特別な行為を必要としないこと、離れた場所からでも認証可能なことなどから、注目を集めている。

9・11テロを背景に、もともとは出入国管理や犯罪捜査系システムなどの国家インフラの分野で活用されてきたが、近年は企業のセキュリティーや勤怠システム、アミューズメントパークの入場ゲートシステムなどでも使われており、一気に身近な技術になってきた感もある。
経年変化、人種の違い…顔認証が超えなければならない壁

「特徴点検出」と「顔照合」のプロセスからなるNECの顔認証。ソフトウエアをインストールすれば、どんなカメラでも認証可能。認証にかかる時間もあっという間だ

この顔認証の分野で、今、世界一の称号をほしいままにしているのがNECだ。

2009、10、13年と、米国の国立技術標準研究所のベンチマークテストで3回連続の1位評価を獲得。2010年に記録したエラー率は0.3%という超高精度で、世界の主要ベンダーに圧倒的な差をつけた。1秒あたりの検索人数で測る速度の面でも1位となった。

NECの主席研究員・今岡仁氏によれば、顔認証は、大きく2つのプロセスに分けることができる。

一つは、目鼻や口端などの特徴点を画像から探し出す「特徴点検出」のプロセス。もう一つは、検出した特徴点の情報を基に、対象の画像とデータベースの画像を照合する「顔照合」のプロセスだ。

今岡氏は顔認証技術の研究者として、10年以上の歳月をかけて、照合精度の向上に尽力してきた。その難しさを、今岡氏は次のように語る。

「例えば出入国管理に活用する場合、パスポートは有効期限が10年ですから10歳年を取っても同じ人物だと認証できなければ使い物になりません。また、日本人にとって西洋人の顔が見分けがつきにくいのと同じことが、機械についても言えます。

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