2015年7月19日日曜日

<h1 itemprop="name">「Windows 10」で“開発完了(RTM)”の発表がない理由

 7月29日の「Windows 10」一般公開を控え、ここ1週間はWindows OSにおいて完成形とみなされる「RTM」がいつ発表されるのかに注目が集まっていた。RTMとは「Release To Manufacturing」の略称で、製造工程向けリリースや量産出荷版などと呼ばれるものだ。MicrosoftがOSソフトウェアをOEMへと提供し、最終製品として出荷される準備が整ったことを意味する。

 「Gold Master」などの名称でも呼ばれることのあるRTMだが、RTMへの到達はOSとして出荷できるレベルまで完成したということだ。RTMを提供されたOEMは、実際に自社製品へ導入して検証を行い、それが済んだらプリインストールPC製品として量産出荷、後は発売日を待つのみといった流れになる。

 Windows 10以前のWindowsであれば、RTMの到達から搭載PCの発売日まではだいたい3カ月程度の猶予があったが、Windows 10ではこの期間が半月程度まで短縮されており、PCメーカーらにとっては非常に慌ただしいスケジュールとなっている。

 そのため、動作検証からPCへのソフトウェア導入、大量出荷まで2週間程度では非常に厳しく、大手メーカーよりは中小規模のメーカーのほうがWindows 10プリインストールPCの早期出荷に対応しやすいというのが大方の予測だった。

 しかし、Acer、Dell、Hewlett-Packard(HP)、Lenovoなど、大手メーカーらも出荷数やモデルの調整でこの突貫スケジュールでのプリインストールモデル出荷が可能との見通しを示しており、7月29日の段階である程度"タマ"がそろう見込みとなった。

 気になるのは、Microsoftからは現時点で「RTMに到達した」という公式情報が出ていないことだ。Windows公式ブログ(Blogging Windows)にて、同社OSグループでエンジニアリンググループマネージャーを務めるガブリエル・オウル氏が、RTMではないかと言われるWindows 10最新プレビュー版「Windows 10 Insider Preview Build 10240」の提供開始を報告しているが、そこに「RTM」という言葉は見当たらない。

 RTMに到達しなければ、PCメーカー各社はプリインストールモデルの出荷作業や、既存のWindows 8.1以前の自社製マシンを購入したユーザーに対するアップグレードサポートが行えない。

0 comments:

コメントを投稿