2015年8月21日金曜日

<h1 itemprop="name">1個30万円、音にこだわらず広告もなし…なぜあの「非常識」イヤホンはヒット?

 マーケティングの基本に「マーケティングミックス(4P)」という考え方があります。これは、「製品(Product)」「価格(Price)」「プロモーション(Promotion)」「流通(Place)」から成るものです。

 例えば、「イヤホンの新商品について、何かいいアイデアはありますか?」と聞かれたとしましょう。この時、どういった製品で、値段はどれくらいで、どのように販売促進をして顧客に届けるか、といった点について考えることが大切です。

 この4Pは、商品を販売する上で非常に重要な枠組みです。例えば、技術を結集して既存の性能を10%上回る新商品を開発しても、価格が5倍であればなかなか売れないでしょう。

 また、人里離れた牧場ですごくおいしいチーズが売られていても、誰にも知られることがなければ、売れるはずがありません。高齢者向けに素晴らしい衣服が開発されても、インターネット通販のみの販売であれば、ターゲットとなる高齢者に対して有効な施策とはいえません。同じように、女子高生向けの商品であれば、スーパーマーケットよりコンビニエンスストアに置いたほうが販売機会は増加するでしょう。

 このように、素晴らしい製品を開発したとしても、対象となる顧客に適した価格、プロモーション、流通が実行されなければ、販売は伸びないはずです。4Pは、わずか4つの要因で販売における重要なツボを押さえる、素晴らしい枠組みといえます。

●イヤホン新商品の4P

 話題を、イヤホンの開発に戻しましょう。

 まずは製品についてです。今は、各社からさまざまなイヤホンが市場に投入されています。

 例えば、耳をふさがずに音を聴く骨伝導式は、骨の振動によって音を聴くことができるので、難聴予防や音漏れがないなどのメリットがあります。また、クラシックやアニメソング専用にチューニングされたイヤホンもあります。

 究極のイヤホンと呼べるのが、ソニーの子会社であるソニーエンジニアリングから発売されている「Just ear XJE-MH1」です。これは、一人ひとりの耳の形状に合わせて最適な音質を実現するテイラーメイドの商品です。受注時に耳の型をとり、使用環境や好みの音楽に応じて、音質も調整されるというこだわりです。

 しかしながら、市場価格は30万円前後とかなり割高になっています。受注生産で世界に1台だけのイヤホンなので、このような価格になってしまうのも仕方ないでしょう。

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