2017年1月7日土曜日

スマホの汚れで「個人の特定」が可能 米研究チームが論文公開

あなたが使っているスマホは非常に不潔だ。米国科学アカデミーの正式機関誌「PNA」に掲載された論文はそう述べている。スマホの表面には皮膚の脂や垢がこびりついており、警察がDNA鑑定に用いることもある。

人々はスマホを肌身離さず携えているが、その表面をきれいに拭くことはまれだ。端末の表面には持ち主が食べた物や触れた物、着ていた服といったあらゆる情報が蓄積されている。

カリフォルニア大学の研究チームが39名の成人のスマホを分析したところ、持ち主の食べ物の好みや、つけていた香水、飲んでいる薬までもが特定できたという。職業や趣味も、スクリーンに付着した日焼け止め等の痕跡から推測が可能だ。

研究チームらは「Lifestyle chemistries from phones for individual profiling」題した論文を公開。その中で「スマホの表面の付着物を分析すれば、そのオーナーを突き止めることも可能だ」と述べている。さらに進んだ活用事例としては、業者がスマホを分析し「辛いものがお好きなようですね。もっと何か召し上がりますか?」と提案したり、医師や保険業者が「この人物は抗鬱剤を服用している」といった情報を得ることもできる。また、「この人はトイレでスマホを使う不潔な人だ」といったことも分かる。

この調査結果から得られる教訓があるとするならば、それはスマホを使う際には手を洗い、清潔を心がけることだ。

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