2017年9月28日木曜日

パッケージ版の「Watson」登場、拡販目指すIBMの2つの施策

 「2016年に市場が立ち上がった。今年はさらにアクセルを踏んでいく」

 日本IBMがWatson拡販に本腰だ。同社は9月27日、「IBM Watson」をパッケージ化したサービスを10月11日から提供すると発表した。数々の事例から得たノウハウを生かし、導入期間や費用を減らすとともに、販売しやすい仕組みとルートを構築することで、拡販を目指す。

 パッケージ化したソリューションは45種類。日本IBMが16種類、ソフトバンクが29種類を用意しており、コールセンター用のチャットボットや工場での検品支援など、対象とする業界や業務は多岐にわたる。これらのサービスは1つのカタログにまとめられ、解決する課題や機能の紹介、技術検証や本番環境構築までの期間と参考価格を把握できる。

 同日行われた発表会では、同社のワトソン事業部長の吉崎敏文氏がパッケージの例を紹介した。例えば、IBMのチャットbotをベースに、SNSなどの外部サイトからユーザーの性格や趣向をつかみ、レコメンドに反映する「チャットボットを活用した新しい顧客接点ソリューション」では、技術検証が2カ月で1000万円から(税別、以下同)、本番仕様の開発は3カ月で2000万円からだ。

 この金額に、Watsonを利用するためのIBM Cloudの料金(月額7万円から)、そしてAIのチューニングを行うメンテナンスによる費用がランニングコストとしてかかる形だ。

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