2017年10月19日木曜日

なぜ職場のIT投資の9割は「成果ゼロ」か

"働き方改革""ビッグデータ"のブームもあって鳴り物入りで導入された新システムが、現場で敬遠され、使われぬまま──そんなムダが今、各所で頻発しているという。
■作業を削減したら、帰宅が遅くなった
ある企業のコールセンターで実際に起きた話です。コールセンター業務は、電話で話しながら打ち込む1次入力と、後でチェックしながら打ち直す2次入力の作業があります。そのコールセンターでは2次入力システムの自動化を進めることに。計算では年間で数十人月(人月は1人が1カ月にできる作業量の単位)の効率化が見込まれ、人件費も削減できるはずでした。
システムは無事に組み上がりました。運用面も問題ありません。ところが、期待されていた人件費削減効果は得られませんでした。
どうしてか。全体で数十人月の削減になるといっても、1人当たりでは1日数分です。作業時間を数分詰めたところで、シフトをいじったり人を減らすことはできません。
結局、スタッフは手持ち無沙汰で、システム改善によって捻出された時間にネットで芸能ニュースなどを閲覧していました。その企業は結果的に、スタッフにウェブサーフィンさせるために数千万円のIT投資を行ったようなものです。
似たような事例はほかにもあります。ある企業はIT導入で1日30~40分の作業時間削減に成功しました。ではそのぶん、社員を早く帰らせたのかと思いきや、「定時まで働かせないともったいない」と、どうでもいい仕事をつくってやらせるようになってしまった。

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