2018年5月24日木曜日

「モナコイン」攻撃はブロックチェーンの安全神話を揺るがすか

 仮想通貨「モナコイン」が最近、5月15日までにロシアの仮想通貨取引所Livecoinで攻撃を受け、1000万円ほどの損失が発生するという事件が起こった。犯人とされる悪意のあるマイナーがSelfish Mining(またはBlock Withholding Attack)と言われる攻撃手口を用いてブロックチェーン(分散型取引台帳)上の記録を書き換えたという。

 ブロックチェーンの特性を悪用した攻撃は以前から理論上可能と指摘されていた。だが、過去に行われた例がほとんどなかったため、今回のモナコイン攻撃はブロックチェーンの安全性に疑問を呈す事件となった。

●モナコイン攻撃の概要

 ブロックチェーンではいくつかの取引データをまとめた「ブロック」を不特定多数の仮想通貨の採掘を行うマイナーが非常に複雑な計算式を解くことで承認を行い、対価として仮想通貨を受け取っている(Proof of Work/仕事の証明)。

 承認されたブロックは順々に"チェーン"でつながれるように連なっていき、データを蓄積していく。

 この承認作業の工程では、同時に複数のブロックが承認されるなどしてブロックチェーンの分岐(フォーク)が発生することがある。分岐が発生した場合、ブロックチェーンのルール上、長く伸びたブロックチェーン(多くのブロックが承認された状態)が正しい結果だと認識され、もう一方が無効化しブロックチェーンが再編成(Reorg/巻き戻し)されることで解決される。

0 comments:

コメントを投稿