2018年6月21日木曜日

AI時代に生き残る人たち 私たちは“AI人材”を目指すべきなのか

 最近、「AI人材」という言葉をメディアで聞くようになりました。人工知能に関する業務を遂行する人材をAI人材と呼ぶそうで、どの企業も血眼になって探しています。

 AI人材の仕事は、コードを書くだけにとどまりません。6月7日に行われた日本商工会議所の記者会見で、三村明夫会頭は「かみ砕いて(AIが)経営に必要だと分からせる、しかも具体的にこういう手段がありますよと、社長に気付きを与える人材が必要」と述べています。

 要はエンジニアの枠を超えて、AIで何ができるかを分かって、かつAIを用いた課題発見・課題解決の実現まで構想できる人材がAI人材なのでしょう。

 一方で、世間的にはAIによる成功事例だと呼ばれているものが、単なる回帰分析を用いた予測だった、というのはよくある話です。結局のところ、簡単なデータサイエンスの知識があれば十分なのにわざわざAI人材と名付けたい層と、名付けられたい層の狂想曲がちょうど今、奏でられているのかもしれません。

 しかし、こうしている間にも世界では「本物」のAI人材による開発競争と具体的成果物の提示が止むことはありません。今回は、世界レベルで見たAI人材に求められるレベル感を通じて、私たちはどうするべきかを考えたいと思います。

AI人材はどれくらい居るのか?

 そもそも、世界には今どれくらいのAI人材が居るのでしょうか。

 少し古いデータになりますが、2017年12月に中国のテンセント・リサーチ・インスティテュートが発表した「グローバル人工知能人材白書」に、詳細な結果が記されています。

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