2018年6月4日月曜日

音声から顧客情報まで「いまやクラウドに置けないデータはない」 ドコモが乗り越えた「茨の道」

 スマートフォンやタブレットに話し掛けると、通勤経路の混雑予報や夕食のレシピ、荷物の再配達予約など、必要な情報やサービスを、最適なタイミングで提供してくれる――。そんなAIエージェント「my daiz(マイデイズ)」を2018年5月に発表したNTTドコモ(以下、ドコモ)は、その仕組みとして大量の顧客情報を集約・分析する「AIエージェント基盤」をAWSで構築し、運用している。

 当初、「大量の顧客情報を外部のクラウドに乗せるなんて、全く話にならなかった」という同社が、なぜ、あえてAWSというクラウドをシステム構築基盤に選び、またそれを可能にしたのか。同基盤の構築プロジェクトを率いた秋永和計氏が、「AWS Summit Tokyo 2018」で講演した。

 ドコモAIエージェント基盤は、NTTグループのAI「corevo(コレボ)」を活用し、ユーザーとの対話を担う「多目的対話エンジン」、ユーザーの行動履歴やスケジュールを学習して先の行動を予測する「行動先読みエンジン」、デバイスから情報を集約し、デバイスを制御する「IoTアクセス制御エンジン」の3つを中心とし、顧客の状況を分析して、自社や連携他社のサービスから「適切」と判断したものにつなげる。音声認識、音声合成、自然言語処理の機能を備えることで、ユーザーの多様なリクエストに迅速に応えるという。

 同社は2016年にAIエージェント基盤のプロジェクトをスタートし、2017年6月には、その中核である「AIエージェントAPI」を、音声AIの活用を目指す企業に向けて公開。

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