2018年7月16日月曜日

「AIドクター」で医療を変える、バビロンヘルスの野望

デジタルヘルスのスタートアップ、「バビロンヘルス(Babylon Health )」は6月27日、ロンドンの王立内科医協会(Royal College of Physicians)で、満員の聴衆の前で「AIドクター」を披露した。

バビロンがトレーニングを行ったAIは、MRCGPテスト(研修中の一般開業医師が受けるテスト)を受験した。このテストの過去5年間の平均スコアは72%だ。「バビロンのスコアは82%だった」と壇上に立ったMobasher Butt医師が述べると、場内は万雷の拍手に包まれた。AIが人間の医師を上回ったのだ。

バビロンは設立から5年間で総額8500万ドル(約94億円)を投資家から調達している。これまでのところ、同社が開発したAIドクターは現状では規制により医療アドバイスを提供することしかできないが、近い将来には実際の医療現場での活用が認められるかもしれない。

バビロンの創業者であるAli Parsaによると、同社が目指すのは「地球上の全ての人が手軽に医療サービスを受けられるようにする」ことだという。Parsaは、バビロンのようなAIドクターを使うことで医療費を抑え、NHS(英国の国民保険サービス)や保険会社のコストを削減することが可能だと考えている。また、バビロンのチャットボットを使えば不必要な通院を減らすこともできる。

Parsaによると医療コストの3分の2は人件費であり、人間の医師とAIを組み合わせたバビロンの医療アドバイスを導入すれば、診断コストを下げられる。

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