2018年7月6日金曜日

LOB買収は序章 楽天が挑む、グローバル広告プラットフォーム構想

 2018年7月5日、楽天は広告プラットフォーム開発を担うベンチャー企業「株式会社LOB」を買収することを発表。これは、楽天独自の広告プラットフォーム開発を加速する取り組みの一つだという。本発表に合わせて、楽天 副社長執行役員兼CROで、楽天データマーケティング 代表取締役社長を務める有馬誠氏とLOB 代表取締役CEOの竹林史貴氏に独占取材を行った。

■広告事業を強化する楽天、その経緯と戦略

――楽天は昨今、楽天データマーケティングの設立をはじめ、広告事業に力を入れています。今回の楽天によるLOB買収には、どのような目的や背景があるのでしょうか?
楽天 副社長執行役員兼CRO 兼 楽天データマーケティング 代表取締役社長 有馬誠

有馬:EC事業者は歴史的に、広告事業を積極的に展開しにくい事情がありました。例えば楽天市場へお買い物に来てくれた人に広告を見せるところまでは良いのですが、クリックしてサイトから離脱し、楽天での購買を逃してしまうと本末転倒ですよね。ECサイトからリンクを飛ばすことに非常に懐疑的だったという歴史があります。

 どこのEC事業者もすごくアクセスがあるのに、広告事業がなかなか大きくならないというジレンマを抱えていました。でも、世の中の変化と共に、その様子がずいぶん変わってきたんです。理由は大きく2つあります。

 1つは楽天市場ですごく物が売れるようになり、ブランドやメーカーなどの広告主にとって重要なリテールチャネルに成長したこと。

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