2014年1月17日金曜日

電子マネー決済の波、コミケにも――サークル「自転車操業」が導入を決めたわけ

 読み取り機にカードやスマホをかざすだけで、商品の購入代金を支払える――。電子マネーは今や、駅の改札をはじめ、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、商店街などさまざまな店舗で使えるようになり、対応店舗は増え続けている。

 しかし、まさかこんなところで電子マネー決済にお目にかかるとは――。その場所とは、2013年12月29日から31日にかけて東京ビッグサイトで開催された一大同人イベント「コミックマーケット85」。このブースの一角から、「シャリーン」「ワオンッ」「ピッ」という、電子マネー決済時特有の音が聞こえてきたのだ。

 そのブースの主はサークル「自転車操業」を運営するかざみみかぜ。氏。同氏のブースには驚くほどの人だかりができており、電子マネーによる決済が行われるたびに歓声が上がっていた。これまで、現金を使わずにモバイルで支払いをする方法としてPayPal HereやSquareのことばかり考えていた筆者にとってはまさに目からウロコの光景だった。

 想像を絶する忙しさと混雑で知られるコミケで、なぜ電子マネーを導入することに決めたのか――。その理由をかざみ氏に聞いた。

●同人イベントと電子マネーは相性がいい

 安価で手軽に導入できるモバイル決済といえば、最近ではPayPal HereやSquare、Coiney、楽天スマートペイといったクレジットカード決済サービスが注目を集めている。これらのクレジットカード決済サービスを導入しなかった理由を聞いてみたところ、「同人イベントで頒布される同人誌は数百円単位。例えば500円だけ支払うのに、わざわざクレジットカードを利用したいと思いますか? それに、すべての人がクレジットカードを持っているわけでもありませんしね」(かざみ氏)という答えが返ってきた。

 確かに現状では、少額決済でクレジットカードを利用する人は少ない。コンビニで「おにぎり1個からでも、クレジットカードがご利用になれます」とうたっていても、あまり使っている人を見たことがない。対する電子マネーは、少額決済でもよく利用されているイメージがある。

 「電子マネーなら、気軽に支払ってもらえます。おサイフケータイを利用している人もいますし、交通系のカードは、多くの人が持っています。クレジットカードよりハードルが低いのではないでしょうか」(同氏)

 また最近のコミケには、クレジットカードこそ持っていないものの、日々、交通系の電子マネーを使っている中学生や高校生の参加も増えているという。

0 comments:

コメントを投稿