2014年5月9日金曜日

“いわゆる電子マネー”とはちょっと違う「au WALLET」

 KDDIが発表した"プリペイド電子マネーサービス"「au WALLET」は、これまでau IDという名で提供していた、サービスの認証キーとしての役割に加えて、実際の買い物に利用できる決済機能を用意した新しいサービスだ。2月にその構想を発表していたが、5月21日のサービス開始を控えた8日、その詳細を明らかにした。

 最大の特徴は、決済に利用するプラスチックカードを発行すること。そして、au WALLET専用のインフラを必要としないことだ。プリペイド式なので、ポイントカードのように事前審査なしでカードを発行でき、未成年やクレジットカードを持っていない人でも利用できる。

 電子マネーと聞くと、楽天EdyやSuicaのような、リーダー/ライターにカードやスマートフォンをかざす非接触IC(FeliCaやNFC)を利用するサービスを思い浮かべる人が多いかもしれない。au WALLETも、自分でチャージしてカードで決済するという点では、「楽天Edy」や「Suica」のようなICカードに近いものと言える。ただし、au WALLETは既存のクレジットカードのインフラで利用する。代金は、ピッとかざすのではなく、クレジットカードのように磁気ストライプをカードリーダーに通して支払う。MasterCardプリペイド決済システムを活用しており、クレジットカード決済に対応した店舗の多くで利用できるのは、ICカードを利用するサービスとは異なる点だ。海外でも多くの店舗で利用できることをウリにする。

●スマートフォンなどから簡単に残高確認・チャージ

 また既存の非接触ICカード型の電子マネーサービスでは、カード側に残高情報が記録されているため、残高の確認にはFeliCaやNFCの読み取りに対応したスマートフォンやリーダー/ライターが必要だ。しかしau WALLETは、カード型ながら残高はサーバ側で管理されているため、専用のスマートフォンアプリやWebサイトで簡単に残高確認やチャージができる。カードをかざす必要がないので、カード型ながらモバイルSuicaなどに近い使い勝手を実現している。オートチャージ機能を利用すれば、チャージ金額が一定額を下回ったときに、自動的に指定した額をチャージできる。

 なお、au WALLET カードはNFCチップを内蔵しているが、現時点ではNFCの通信機能は決済には利用していないという。

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