2014年5月12日月曜日

[注目トピックス 経済総合]週刊ダイヤモンド今週号より~数字で会社を読む---ガンホー・オンライン・エンターテイメント

*08:04JST 週刊ダイヤモンド今週号より~数字で会社を読む---ガンホー・オンライン・エンターテイメント
スマートフォン向けゲームの「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)で急成長したガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)ですが、成熟説を打ち消すために、さまざまな施策を打ち出しています。

パズドラは2012年2月にサービスを開始して以降、ダウンロード数が2700万を超えました。これは、スマホ所有者の実に2人に1人がアウンロードした計算になります。パズドラを展開しているガンホーの13年12月期売上高は1630億円で前期比6.3倍に、営業利益は912億円で同9.8倍になるなど、急成長を果たしています。

だが、パズドラにも成熟説が付きまとっています。それを示したのがモバイルコンシューマー事業の売上高と売上高営業利益率であり、四半期ベースの売上高営業利益率でピークとなったのは13年1-3月期の64.5%、それ以降、利益率は緩やかながらも下降しています。

こうしたなか、14年1-3月期は巻き返しを果たしました。この起爆剤になったのが、ニンテンドー3DS向けの「パズドラZ」です。スマホを持っていない小学校高学年の男児をメインターゲットに据えてファンづくりを進めてきたことが奏効しました。顧客層の拡大にこそパズドラの"延命策"があるとガンホーではみたのです。

もう一つの成長戦略は海外です。パズドラは米国など4カ国に進出、香港のアップストアで1位になるなど、手応えは感じているようです。また、ソフトバンクと共同で傘下に入れた「スーパーセル」が今後の鍵となってきます。スーパーセルは世界100カ国以上でスマホゲームを展開しており、海外での足掛かりにしていく方針です。

課題となるのは、売上高の9割以上をパズドラが稼いでいることです。"一本足打法"のリスクは否めず、二匹目のどじょうも簡単には見つかりません。「ケリ姫スイーツ」などの6タイトルはいずれも黒字のようですが、ポスト・パズドラというにはいかにも小粒です。今のガンホーにとっては、パズドラを延命させる戦略が最も現実的な選択肢ですが、好調なうちに次のヒット作を生み出す必要はありそうです。


《NT》

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