2014年7月8日火曜日

目指したのは「原音に忠実な音」――「Xperia Z2」で進化したオーディオの秘密

 ソニーモバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia Z2 SO-03F」の開発の舞台裏を紹介するインタビューの第3回では、オーディオ面での進化やこだわったところを、オーディオテクノロジー担当の田原氏に語ってもらった。「デジタルノイズキャンセリング」と「ステレオスピーカー」、そして「ハイレゾ」対応が大きなトピックだが、音質はどう変わったのか? 端末単体でのハイレゾ対応は難しいのか? などの疑問点も聞いた。

●互換性の検証に苦労した「デジタルノイズキャンセリング」

 オーディオでは、周囲の騒音を最大99%低減できる「デジタルノイズキャンセリング(以下、DNC)」機能に対応したことがトピックの1つだ。田原氏は「以前から社内で検討していましたが、ようやく技術的に行けそうだという検証ができて、そのタイミングが今回でした」と搭載の経緯を話す。

 DNCの回路をXperiaに搭載したことで、Walkman向けのDNC対応ヘッドセットをそのまま使えるようになる。ほかに、ソニーモバイルが発売している純正のヘッドセット「MDR-NC31EM」(5500円、税別)を装着したときにもDNCが有効になる。

 DNCに対応したことで、イヤフォンジャックの入力プラグが従来の3極/4極から5極に増えた。田原氏によると、3極/4極のヘッドセットを使えるための互換性の検証が苦労したという。

●ひずみのない低域を出せるよう苦心したステレオスピーカー

 内蔵スピーカーも強化し、前面にステレオスピーカーを搭載した。田原氏は「Xperiaでひずみのないクリアな音楽を楽しんでほしいですね。きれいな液晶を搭載しているので、動画を楽しむときに音もよくないと面白くないですから」と狙いを話す。特に低域をいかに出すかに苦心したそうだ。

 あわせて、立体的な音を仮想的に再現する「S-Forceフロントサラウンド」にも対応した。田原氏は「普通にステレオ再生していると、サラウンド感はなかなか得られません。VAIOやBRAVIAなど、ソニーのほかのデバイスに搭載している技術をスマートフォンにも適用しました」と話す。

 スピーカーはディスプレイ面の上下にあるが、スピーカーのサイズは上下で異なり、上が8×15ミリ、下が11×15ミリとなっている。なお「聴覚保護の観点から」(田原氏)、着信音のみ下側のスピーカーから鳴る。

●"レコーディングスタジオで聴くような音質"にチューニング

 カタログなどではあまり説明されていないが、ClearAudio+をオンにして、DNC対応ヘッドセットを装着したときの音質が、Z1から向上しているという。

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