2014年8月7日木曜日

「成長する人」から「進化する人」へ--宮坂 学(ヤフー社長)

日本は今、少子高齢化や労働者不足をはじめ、さまざまな「社会課題」を抱えている。政府も本腰を入れつつあるが、課題の解決に向けて動き出した企業もある。その1つが、インターネットの雄、ヤフーである。同社の宮坂学社長に、アサヒビール、インテリジェンス、電通北海道、日本郵便と共に北海道美瑛町で実施している異業種コラボレーション研修について聞いた。

社内研修よりも効果は大きい

-- 今回の研修に対してどのようにお考えですか。

宮坂 今回の5社参加のダイバーシティ研修はいい研修になると思っています。普通、研修といえば企業内で考えますよね。ところが、私も何度か審査員をしているソフトバンクアカデミアが典型的なんですが、社外の人が入ってくるとネットワークも広がりますし、研修も引き締まります。社内だけで行うよりも効果は高いんですね。

 また、出される課題があまりに自分の業務に近いと業務知識の差がそのまま出てしまうじゃないですか。だから今回の美瑛の社会課題のような大きなテーマのほうがいいですね。全員同じ前提条件で始められますし、「努力」と「地頭」と「発想力」の差が重要になるからです。

-- 美瑛町に研修センターをつくっていますが、これも地域の課題解決への取り組みのひとつですか。

宮坂 一義的には、研修センターとしてきちんと稼働させるのが大前提だと思っています。

 ヤフーの社員と株主にとって意義のあるパフォーマンスが出せないと続けられなくなりますから。これを大前提として、研修センターに社員がたくさん来て、学んで、社員の能力が上がって、結果として業績につながる。

 その前提があって初めて拠点と空港を行ったり来たりするだけでなく、地元の人たちにとって良いインターネットの環境は何か、というようなことまで考えられればいいなと思っているんですけどね。

ビジネスに必要な人間性

-- 宮坂社長が欲しい人材は。

宮坂 「いい人」という言い方しかできないんですけど、「あいつ、いい奴だな」という人と仕事したいですよね。チームで仕事をするので、どんなに優秀でも嫌な人とは仕事できませんから。その上でスキルを求めます。だからスキルはあるけど嫌な奴ならいらないということですよ。

-- かつては、世の中の風潮がスキル重視だった気がしますが。

宮坂 う~ん、数値だけで評価していた頃はそうだったかもしれませんけど、数値は外部要因で変わってしまいますからね。

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