2014年8月7日木曜日

日本上陸のクロームブック、米国並みの市場開拓は可能か

米国市場で市場が拡大中のノートPC「クロームブック」が日本でもいよいよ販売を開始した。安価かつ手軽なPCとしての期待は高いが、日本市場での普及はどうか。米国とのインフラやビジネス慣習の違いも問題になってくる。

 ウェブ上での操作のため低スペックかつ安価なPC

 米グーグルの基本ソフト(OS)「クロームOS」を搭載したノートPC「クロームブック」が日本で発売された。米国では既に2011年から販売を開始しており、約3年を経て、ようやく日本での発売に至った。

 クロームブックの最大の特徴は、無線でのネット接続を前提とした端末であることだ。LANポートを装備していない機種もある。操作に当たってはウェブブラウザ「グーグルクローム」上でアプリケーションを利用するため、既存のPCのようにソフトウエアを本体にインストールすることはない。また、アプリは常にアップデートされ、最新機能が利用できる。さらにデータは基本的にはクラウド上のストレージに保存する。

 こうした特徴を備えるがゆえにPC側に高度なスペックは求められず、高性能CPUや大容量メモリを搭載する必要もない。このため、既存のノートPCと比べると軽量かつ安価で、米国での販売価格は200~300㌦となっている。

 また、データをクラウド上に保存することからセキュリティーも高いとされている。起動プロセスも簡略化され、ウインドウズOSの半分以下に抑え、起動からメールソフトの立ち上げまで10秒程度という。米国では、こうした安全・快適という特徴が評価されて、昨年末から市場が拡大。現在は米国のビジネス用PC市場で約2割のシェアを占めているという。

 日本ではまず7月に台湾エイサーが11・6型のクロームブック「C720」の販売を開始した。続いて8月に台湾エイスース、9月に米ヒューレット・パッカードが、9月末までに米デルが販売を開始する。日本メーカーでは東芝が発売を予定している。

 米国ではクロームブックを民生用にも販売しているが、日本では当面は法人用で展開する方針。グーグルとしては「安いだけのPCととらえられたくないため」だという。企業および教育機関への導入を目指しており、日本エイサーでは既に教育機関での試験導入を始めており、高い評価を受けている。

 日本の法人展開には課題が山積

 ただし、日本での市場開拓には疑問の声も挙がっている。

 まず日本では米国ほどにWiFi環境は整っていない。

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