2014年8月1日金曜日

USBの根幹に脆弱性発覚、死角はファームウェア


もう悪用されてる可能性も。

USBメモリはもちろん、パソコンとスマートフォンとかマウスとかいろんなデヴァイスをつなぐとき、USBにはみんなお世話になってます。でも新たな研究で、USBの動き方自体にセキュリティ上の根本的な欠陥が見つかりました。これによって、どんなコンピュータでも気づかないうちに乗っ取られてしまうか、もう乗っ取られているかもしれないんです。

Wiredによれば、セキュリティ研究者のKarsten NohlさんとJakob Lellさんが、USBの基本的な通信機能をコントロールするファームウェアをリヴァース・エンジニアしました。彼らはさらにBadUSBというマルウェアも作り、ファームウェア内部に入れ込みました。それによって「USBデヴァイスにインストールすれば完全にPCを乗っ取ることができ、見えないところでファイルをメモリスティックから書き換えたり、ユーザーのインターネットトラフィックをリダイレクトしたりもできる」ようになってしまいます。

USBメモリやキーボード、スマートフォンなどのUSBデヴァイスにはコントローラチップが埋め込まれ、接続されたデヴァイスとコンピュータの間の情報のやりとりを可能にしています。NohlさんとLellさんは、このコントローラチップをターゲットにしました。つまり彼らのマルウェアは、フラッシュメモリのストレージの中(コンピュータにつなぐとファイルとして見える部分)にあるのではなく、ファームウェアに隠されていて、削除するにはかなりの技術的知識が必要です。LellさんはWiredに語っています。

それをITセキュリティの人に渡せば、彼らはスキャンしてファイルをいくつか削除し、「もうきれいになったよ」と言って返してくれるでしょう。[略](でもこれらの)問題はパッチできません。我々はUSBの設計そのものを悪用したのです。

怖いのは、デヴァイスのファームウェアにマルウェアが含まれているかどうか基本的にチェックのしようがないことです。そしてもしチェックできても、それと比較するための信頼できるヴァージョンがありません。しかもそのマルウェアは双方向、つまりUSBメモリからコンピュータに感染させることも、コンピュータからUSBデヴァイスに感染させることも可能です。

NohlさんらによればこのマルウェアはUSBメモリだけでなく、マウスやキーボード、Androidスマートフォンなどあらゆるデヴァイスに感染可能といっています。

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