2014年9月2日火曜日

ゲームの神様「ゼビウス」の遠藤雅伸が語った「人がゲームをやめる理由」

どういうエンディングが良いんでしょうね、(テレビ)ゲームって。

テレビゲームはアーケードのピンボールなどを背景に登場したため、当初は明確な目的がありませんでした。しかし1980年代に入り、長時間プレイの抑制やプレイヤーに対する目的設定などを背景に、プレイ時間の有限化という概念が登場してきます(レースゲームでは上手い人ほど早くゲームが終わる!)。そして家庭用ゲームの一般化に伴い、いわゆる「エンディング」のあるゲームが一般的となっていきました。

しかし、昨今ではネットゲームの普及やゲームのサービス化に伴い、明確なエンディングが存在しないゲームが増加しています。そこでは多くの場合、サービス終了がエンディングと同義語になります。そこまでいかずとも、MMORPGなどで友達が一人、また一人と減っていくなど、コミュニティ崩壊がゲームをやめる理由になったという人も少なくないでしょう。いずれにせよ、あまり良い「エンディング体験」とはいえないですよね。

またモバイル・ソーシャルゲームでは、「毎回少しずつ、定期的にゲームを遊ばせる」仕組みがゲームデザインに組み込まれています。その背景にあるのが、基本プレイ無料のアイテム課金というビジネスモデルです。ここでもっとも重要になるのが「継続率」という概念です。継続率と課金率には正の相関関係があります。「中断と再開」の適切な管理は、今や多くのゲームメーカーにとって死活問題なのです。

もっとも継続率を高める(そしてエンディングまで遊んでもらう)ことは、途中でプレイヤーを脱落させないということでもあります。これが非常に難しい命題であることは、言うまでもないでしょう。すべてのゲーム開発者は、この命題に向けて日夜奮闘しています。しかし、そのわりに「なぜプレイヤーがゲームをやめてしまうのか」について、きちんと調査研究されたことはありませんでした。

この(おそらく日本のゲーム研究において初となる)研究結果「ひとはなぜゲームを途中でやめるのか?−ゲームデザイン由来の理由−」が、日本デジタルゲーム学会の2014年度夏期研究大会で発表されました。発表者は「ゼビウス」「ドルアーガの塔」などの生みの親として知られる遠藤雅伸氏。現在は東京工芸大学芸術学部の教員でありながら、東京工科大学で学ぶ大学院生でもあり、同学会の理事も務めています。

詳細については、同大会の予稿集がウェブ上に掲載されていますし、Ustreamで講演内容が録画されていますので、本稿では概要について紹介するだけに留めたいと思います。

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