2015年7月19日日曜日

<h1 itemprop="name">MWC上海でドコモが注目された理由/海外の格安SIMで見えた国内MVNOの課題

 7月15日から7月17日にかけて、中国・上海でMobile World Congress(MWC)のアジア版といえるMobile World Congress Shanghai(MWC上海)が開催された。グローバルを対象にした本家MWCより規模ははるかに小さいものの、アジア各国からキャリア、メーカーのCEOが集結しており、特に通信分野についてはキーノートスピーチなどのイベントを通じて、幅広い議論が交わされていた。

 また、MWC上海に合わせて、会場内ではサブイベントのMVNO Summitが開催された。日本からはIIJのネットワーク本部 技術企画室の佐々木太志氏が登壇。日本のMVNOビジネスや、同社の目指す姿が語られた。これらのイベントを通じて見えてきたのが、MNO、MVNOがそれぞれの将来像だ。

●5Gの本格化を前に、コンテンツや協業と事業の幅を広げる世界のキャリア

 MWC上海では、初日の7月14日に「モバイルの未来」と題した基調講演が行われた。ここには、ドコモの代表取締役社長 加藤薫氏のほか、中国移動、Telenor、Telstraといった世界を代表するキャリアのCEOが集い、4G普及後に目指す世界を聴衆にアピールしていた。各社とも置かれている状況が異なるため、講演の詳細も異なっていたが、共通していたのは他社との協業によって、モバイルの領域をさらに拡大していくということだ。

 例えば、中国移動の会長、シー・グオホワ(奚国華)氏は、「これからのインターネットは産業のインターネットの時代に入りつつある」としながら、次のように語っている。

 「キャリアの強みは通信能力。もう1つが、データのリソースを蓄積してきたことで、これこそがコアになる。2つを踏まえて、オープンな力を生かす。キャリアだけではなく、社会にある核となる事業者の発展を促す」

 中国では、政府が「インターネットプラス」という概念を打ち出しており、モバイルをさまざまな分野に広げていく。M2M(マシン・トゥ・マシン)やIoT(モノのインターネット)と呼ばれる分野も、ここに当てはまる。中国移動と同様、TelenorのCEO、ジョン・フレドリック・バクサース氏も、上位レイヤーのサービス解説に時間を割いた。バクサース氏は、キャリアによる金融サービスや、GSMAが進めている「モバイルコネクト」という認証の仕組みを紹介しつつ、「音声からデータの時代に入った」と語っている。

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