2015年8月31日月曜日

<h1 itemprop="name">グーグルマップ、「もはやこれなしでは生きられない」領域へ どこまで進化する?

 グーグルのインターネット検索・広告事業は、同社の多くのウェブアプリケーションと連動して、コア・コンピタンスを形成している。その中でもグーグルマップは、貢献度の高いウェブアプリケーションのひとつであろう。なぜなら、グーグル検索のキーワードの約20%が「場所」に関連しているからである。

 グーグルマップは2005年2月にサービスを開始したが、それ以前にもネット上の地図サービスは存在した。ただ、それらは、地図自体が大雑把につくられているばかりか、スクロールするたびにクリックしてページ全体をリロード(再読み込み)しなければならなかったため、必ずしも利用しやすい実用的なものであるとはいえなかった。

 だがグーグルマップは、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML:ウェブブラウザ上で非同期通信を利用してインターフェイスの構築を行う技術)の利用により、リロードせずにブラウザ上でインタラクティブかつ自由に地図を動かし、拡大縮小させることができたため、競合との差別化を図ることができた。

 この「Ajaxによるクリック・ドラッグする技術」をベースに、グーグルはその後、グーグルマップに従来単独で存在し機能していた「ローカル検索エンジンによる検索技術」や「位置確認のためのGPS(全地球測位システム)技術」、さらには「衛星写真を閲覧できる技術」を次々と実装して、ひとつのサービスとして利用できるようにした。

 グーグルは競合他社に先駆けて、こうした技術的な組み合わせを発想し実用化することで、グーグルマップという革新的なサービスを創出するに至った。その結果、グーグルマップは今や200万以上のサイトが採用し、毎月10億人以上が利用するまでになった。

●死角

 だが、こうしたグーグルマップにも死角がないわけではない。例えばオフラインでの操作性の向上は、今後のグーグルマップの課題のひとつであろう。この点についてグーグルは、すでに次なる一手を打ちつつある。

 それは、事前に地図データを自宅などでダウンロードしておけば、オフラインの場所でもGPSを使い、目的地の検索などが利用できるといった新たな機能である。グーグルは15年内をメドに、この機能をスマホ向けに追加する意向である。

 グーグルマップはサービス開始以来、今年で10年の節目を迎えることになるが、その伸びしろは無限であろう。イノベーションは身近なものから起こる。

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