2015年10月9日金曜日

Surface Bookは「AppleになりたいMicrosoft」の象徴か

 10月6日(米国時間)に米ニューヨーク市内で開催されたMicrosoftのプレスイベントにて、「Surface Pro 4」「Surface Book」「Lumia 950」「Lumia 950XL」「Lumia 550」「Microsoft Band」の計6製品が正式発表された。

 また、同社によるARデバイス開発キット「Microsoft HoloLens Development Edition」の予約開始もアナウンスされ(購入可能なのは米国とカナダのみ)、Windows 10世代のハードウェア新製品が一堂に会した形だ。

 今回はこのうち、Surface Pro 4とSurface Bookの2製品に話を絞り、発表されたハードウェアに対する周囲の反応と、今後MicrosoftやPC業界がどのような方向を目指しているのかを考えてみたい。

●魅力的なハードウェアではあるけれど……

 Surface Pro 4は、Intel最新の第6世代Coreプロセッサ(開発コード名:Skylake)を搭載し、Windows 10をプリインストールして登場した。前モデルの順当進化とも呼べるものだ。

 一方のSurface Bookは、Microsoft関係者でさえ多くが事前に知らされていなかったという。いわゆるクラムシェルの「ノートPC」だが、キーボード部分との着脱が可能なデタッチャブル方式のノートPCなので、2in1タブレットとの境界が曖昧ではある。とはいえ、Microsoft自身「初のノートPC製品」と説明しているように、これまでPC向けOSを長年に渡って提供してきた同社が初めてリリースした「王道PC」と呼べるものだ。

 MicrosoftはPCハードウェア事業について、「OEM(つまりPCメーカー)のビジネス機会を奪う」「事業的に採算が取れているのか」という周囲の批判を受けつつも、「Windowsのデバイスとしての方向性を示す」ことを理由に事業を継続してきた。2015年7月に携帯端末部門を中心とした大規模人員削減が行われる中でもSurfaceの事業は守り、「Surface Hub」のような新製品まで市場投入するなど積極拡大を進めている。

 これは理解できる部分もある。Windows 8以降、OSのユーザーインタフェースをタッチ操作に特化させる形で戦略を急速転換する中、"リファレンス"となる製品を用意してアプリならびにハードウェア両方の開発を促進したい考えがあったのだろう。

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