2015年11月11日水曜日

米デルのEMC買収、90億ドルの税負担懸念で頓挫の恐れ=報道

[10日 ロイター] - 米パソコン大手デルによる総額670億ドルでのストレージ(外部記憶装置)メーカー、EMC<EMC.N>の買収計画は、税金をめぐる懸念から白紙に戻る可能性がある。IT(情報技術)ニュースサイト「Re/code(リコード)」が関係筋の情報として伝えた。
最大90億ドルの税支払いに直面する可能性があるという。
買収案では、EMCを1株33.15ドルと評価。デルが現金で1株当たり24.05ドルを支払うほか、EMC傘下の仮想化技術ソフトウエアメーカー、VMウェア<VMW.N>株価に連動した特別株をEMC株主に割り当てる。
この子会社連動株式について、米内国歳入庁(IRS)が課税対象となる株式分配と判断した場合、デルはEMC株主への支払い原資を確保するため一段の借り入れを行なうか、買収を断念する必要があるという。
FBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は「懸念材料だが、買収をご破算にするものではない」とし、「マイケル・デル氏は、たとえ買収案の一部修正を迫られたとしても、実現に向け確実に手を打つだろう」との見方を示した。
EMCの広報担当は市場のうわさや観測にはコメントしないと述べた。デルの広報担当はコメントを控えた。
一方、デルに近い関係者は今回の報道に関して、税務当局は子会社連動株式をこれまでの類似案件と同じように扱うと指摘。EMC買収に影響が出ることはない、とロイターに語った。
米国株式市場でEMC株価は2.2%安で引けた。VMウェアは1.7%上昇した。
*内容を追加しました。

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