2016年2月6日土曜日

「電子ギフト券ID送れ」急増=振り込みより手軽、現金化も―架空請求詐欺・警視庁

 アダルトサイト登録料名目などで架空請求する特殊詐欺で、現金ではなくネット上で使えるギフト券などの電子マネーをだまし取る手口が急増していることが、警視庁のまとめで分かった。送金に比べて口座開設の必要もなく手軽で、オークションサイトを通じて現金化が可能だといった事情もあるようだ。

 警視庁によると、昨年1年間に東京都内で認知された特殊詐欺は1879件、被害総額約67億2928万円で、2年連続の減少となった。一方で、「架空請求詐欺」では電子ギフト券などを購入させてだまし取る手口が84件と前年の約5倍に急増。初めて手渡しの件数を上回り、振り込みとほぼ同じ水準になった。

 今年1月、都内に住む40代の男性会社員がアダルト動画サイトを閲覧しようとしたところ、コンピューターの画面に突然「会員登録されました」との文字が表れた。表示された番号に電話すると、「解約には現金が必要」と言われ、指示に従いネット通販大手アマゾンの電子ギフト券8万円分を購入し、ID番号を伝えた。

 コンビニでプリペイド式のカードを購入するなどし、記載されているIDを入力すると、ネット上で額面分の買い物ができる仕組みだ。IDを伝えることは、金銭の提供と同じ意味を持つ。

 警視庁は、この詐欺グループの男女6人を逮捕。グループは同様にしてだまし取った電子ギフト券をネットオークションに出して現金化していたという。被害は500人以上、総額数千万〜1億円に上るとみられている。 

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