2017年10月5日木曜日

「iPhone X」の顔認証は指紋より安全? 「生体認証」のキホンと誤解

 2016年6月、人生初の上海旅行に行ったときのこと。オープンしたばかりの上海ディズニーランドでちょっと驚いたことがありました。滞在2日目に入り口のゲートでチケットを渡すと、なんと自分の顔がモニター上に映っていたのです。

 2日間有効のチケットを他人に譲渡しないための施策だと思いますが、目視による顔認証をしていることよりも、「いつ撮影したの?」と本当に驚きました。後日確認したところ、バーコードスキャナーにカメラが内蔵されていることが分かり、自然に顔情報を取得していることに感心しました。

 日本においても、テーマパークで顔認証を行い、まさに「顔パス」を実現している事例もあります。そこで今回は、顔や指紋などを使って個人を認証する「生体認証」の基礎と、その「誤解」を解いてみましょう。

●「生体認証って怖くない?」

 「生体認証は怖いから嫌い」と感じている人も多いのではないかと思います。上海ディズニーランドの事例は入園者の顔写真データそのものを保持しています(これは米国のディズニーランドでも同様で、長期間利用できるチケットを購入している場合は、入園初日にスマホで顔を撮影し、記録しています)。これを元に、本人確認を行うわけです。テーマパークのような場所であればこの方法もアリですね。

 しかし、生体認証がなんとなく怖いと思う根源は、やはり「替えが効かない」という点にあると思います。万が一、生体認証の鍵となる「顔」や「指紋」の情報が漏れてしまったとしても、パスワードのように「変更」が効くわけではありません。

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