プロ野球のソフトバンクや横浜DeNAベイスターズで活躍し、2016年に引退した井手正太郎さん(34)が、故郷の宮崎県産マンゴーの通信販売などを手がける会社「ニーロク」を設立し、新たな一歩を踏み出した。故障続きで順風とは言えない選手時代だったが、ファンの声援を励みに通算15年の現役生活を駆け抜けた。「宮崎にはまだまだ名産が眠っている」と語る井手さん。その新たな挑戦を、かつてのファンも応援している。【堀和彦】
7月下旬、横浜市中区のバーで開かれたトークショー。地元産マンゴーを使ったカクテルの販売開始に合わせて開かれ、かつてのファンらで満員となった。井手さんはテーブルを回りカクテルを宣伝。マンゴーの即席販売スペースには行列ができた。
社長の日常は多忙を極める。持ち歩く黒い手帳をめくると、商談などでカレンダーは真っ黒。明けても暮れてもグラウンドに通い続けた15年間とは異なる時間が流れている。「これまで支えてくれた顔見知りのファンの方々が、営業に動いてくれるんです」と、照れくさそうに話す。
社名の「ニーロク」は現役時の背番号26に由来している。野球塾やトークショーの運営も手がけるが、主力事業はマンゴーやメロンの卸しや通信販売だ。取り扱う商品は、生まれ育った宮崎県小林市野尻町で、幼なじみや「近所のおっちゃん」が手塩にかけて育てたもの。完熟で美味ながら、わずかに傷や色にムラのあるだけで高級品として扱われないマンゴーに目を付けた。…
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