2014年3月5日水曜日

ネットは「王様の耳はロバの耳」状態。ストレスをSNSで発散するのはリスク高すぎ!

「王様の耳はロバの耳!」

王様の耳がロバの耳であることを知った床屋が、秘密を誰にも打ち明けられずストレスが溜まり、ついには穴の中に叫んでしまう――。ギリシア神話の一部で、童話でも有名な話です。

私たちはストレスを感じた時に、親友に失恋の話をしたり、感動的な映画を見て涙を流したりして、思いっ切り感情を爆発させると、すっきりすることを経験として知っています。

これは「カタルシス効果」とよばれ、心の中にあるネガティブな感情を洗い流してさっぱりさせ、苦しみや怒りといった感情を吐き出し、やすらぎと癒しを得ることを目的とした精神療法の一つなのです。

「カタルシス効果」は、吐き出した悩みやストレスである「ロバの耳」ばかり注目されますが、本当に重要なポイントはそこではありません。本当に重要なポイントは、吐き出す「穴」。すなわち、悩みを聞いてくれる先が重要なのです。

聞き手は、ただひたすら話を聴くことが必要で、批判をしてはいけません。すべて丸ごと受け止めて、不満やストレスを吐き出させるようにするのがコツ。そうすると、話し手は「気づき」が得られ、初めて安心感を手に入れることができるのです。

このように、話し手と聞き手の信頼関係ができることが重要な「カタルシス効果」ですが、顔も見えないインターネットで成立するのでしょうか? 

以前は、悩みやストレスを発散するためには、直接話を聞いてもらうしか手段はなかったのですが、インターネットの発展により、ブログやSNSで私たちの心の中にあるわだかまりを、ものすごく容易に発散できるようになりました。しかしこれには、問題もあります。

インターネットでは、情報の共有がいとも簡単に行われるので、どこの誰に共有されるかわかりません。うっかり投稿したネガティブな言葉が、相手にまで届いてしまう危険性だってあります。

たいていのインターネットサービスでは、投稿を共有する範囲を制限することができますが、ネガティブな感情にさらされているときは、冷静に共有範囲を制限することができないのが普通で、「うっかり投稿」をしてしまう危険があります。

ですから、インターネット上に、ネガティブな投稿をすることはおすすめできません。やはり、リアルな知り合いの中で信頼のおける人に打ち明けるか、専門のカウンセラーに相談するのがいいでしょう。

しかし、インターネットならではのメリットもあります。それは「スピード感」。

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