インド洋西部の熱帯域で発生した巨大な積乱雲の群れが1〜2カ月かけて太平洋西部に移動する現象について、海洋研究開発機構と東京大、理化学研究所の研究チームは7日、スパコン「京(けい)」を使って約1カ月先までの移動予測ができることを実証したと、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。
この現象は1970年代初めに米研究者らにより気圧の周期的な変動として発見され、「マッデン・ジュリアン振動(MJO)」と呼ばれる。大雨を降らせ、周囲に熱を放出するため、東南アジアなどの雨期や乾期、台風の発生のほか、太平洋赤道域東部の海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象に影響することが知られる。
日本でも2011年11月ごろに異常に暖かくなり、12月に一転して冷え込んだ要因となった。海洋機構の宮川知己ポスドク研究員は「気象庁などのスパコンが増強されれば、気象予報の精度が上がり、洪水などの防災に役立つ」と話している。
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