2014年5月7日水曜日

Windows Phone、Symbian、BlackBerry――日本から消えたスマホOSから何が見える?

 2008年に日本で「iPhone 3G」が発売されて以降、国内のスマートフォン市場はiPhone(iOS)と、それに対抗するべく投入されたAndroidの2大プラットフォームが急速にシェアを伸ばし、2大勢力がほぼ支配しているといっても過言ではない。

 だがこうなったのは、実はここ3~4年くらいのこと。それ以前はフィーチャーフォンが販売の多くを占めていたし、そもそもiPhone以前には、もっとさまざまなOSを搭載した"スマートフォン"が市場に流通していた。だが気が付くと、フィーチャーフォンの新機種数が激減しただけでなく、iOSとAndroid以外を搭載したスマートフォンも、市場から見かけなくなってしまった。

 かつて日本市場で存在感を発揮していたスマートフォンとそのOSは、その後どうなってしまったのか。日本から姿を消した理由と、その後の動向について探ってみよう。

●再上陸の可能性が高い「Windows Phone」

 iPhoneが登場する以前、日本のスマートフォン市場で大きなシェアを獲得していたのが、Microsoftの「Windows Mobile」である。Windows Mobileは元々、スマートフォンの源流の1つともされるPDA(携帯情報端末)向けのOSとして、組み込み機器用のWindows CEをベースに開発されたものだ。

 日本のコンシューマー向けスマートフォンでは、ウィルコムが2005年に発売したシャープ製の「W-ZERO3」(WS003SH)がWindows Mobileを採用。スマートフォンの先駆けとなった。その後、イー・モバイルやソフトバンクモバイルなどがWindows Mobile搭載機種を積極的に投入した。

 Windows Mobile端末はアプリによるカスタマイズが難しいフィーチャーフォンに不満を抱いていた先進層に受け入れられ、一定の存在感を示すに至った。だが一方で、ユーザーインタフェースがWindows由来であり、指での操作は複雑なこともあって、そこから先に利用者が広まらないという問題も抱えていた。

 Windows Phoneが国内で大きな転換期を迎えたのは2008年。同年にiPhone 3Gが日本で発売されたことで、従来Windows Mobileのニーズを支えていた先進層がiPhoneに流れてしまったのである。しかもその傾向は日本だけでなく世界的なものであり、Windows MobileはたちまちiPhoneにシェアを奪われることとなった。

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